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震災復旧を支えるエアコン工事業者|点検から再設置まで求められる施工力

2026.07.31お知らせ

災害後のエアコン工事は取付作業だけではない

エアコン工事というと、新しい機器を壁に取り付け、配管を接続して運転できる状態にする仕事をイメージする人が多いかもしれません。

しかし、大きな地震が発生した後のエアコン工事は、通常の取付工事とは内容が異なります。

建物や設備がどのような被害を受けているかを確認し、安全に使用できる状態かを判断するところから始まります。故障している機器を交換するだけではなく、室外機の設置状態、室内機の固定、冷媒配管、電線、ドレン排水などを総合的に確認しなければなりません。

外から見て壊れていないように見えるエアコンでも、地震の揺れによって見えない部分に負荷がかかっていることがあります。災害復旧の現場では、この見えにくい異常を見逃さない施工力が求められます。

室外機の位置ずれが配管を傷める

震災によるエアコン被害で、特に注意したいのが室外機です。

室外機は屋外に設置されているため、地震の揺れによって置台からずれたり、架台が変形したり、転倒したりすることがあります。

室外機が動くと、室内機との間をつないでいる冷媒配管や電線も引っ張られます。冷媒配管は見た目に異常がなくても、接続部分や曲げ部分に細かな亀裂が生じている可能性があります。

転倒した室外機を自分で起こすと、配管や配線が外れたり、損傷が悪化したりする恐れがあります。冷媒が漏れている場合には、低温の冷媒に触れて負傷する危険もあるため、専門業者による確認が必要です。

地震後の点検では、室外機が立っているかだけでなく、設置位置、水平状態、架台、固定金具、配管の引っ張り、異音や振動まで確認する必要があります。

設置方法によって確認する場所は変わる

室外機の設置方法には、地面置き、ベランダ置き、屋根置き、壁面設置、天吊り、二段置きなどがあります。

地面置きの場合は、置台の位置ずれや室外機の傾きを確認します。屋根置きでは、架台の固定や屋根材の破損、高所で安全に作業できる状態かを確認しなければなりません。

壁面設置では、壁やアンカーボルト、取付金具の状態が重要です。建物の外壁にひび割れや変形がある場合、室外機だけが無事でも、固定している壁側の強度が低下している可能性があります。

二段置きでは、下段と上段の両方の室外機に加え、架台全体の傾きやボルトの緩みを確認します。一部分だけを見て判断すると、後から転倒や落下につながる恐れがあります。

室外機の転倒は、配管の損傷だけでなく、通路や避難経路をふさぐ原因にもなります。日頃の施工で室外機を適切に固定しておくことも、重要な地震対策です。

室内機が無事に見えても点検は必要

室内機は室内にあるため、地震の影響を受けにくいように思われます。しかし、室内機を固定している壁や下地が損傷している場合には注意が必要です。

据付板の固定が緩むと、室内機が壁から浮いたり、わずかに傾いたりすることがあります。傾きが小さい場合は気付きにくいものの、運転時の振動や異音、ドレン排水の不具合につながる可能性があります。

エアコン内部で発生した水は、室内機からドレンホースを通って屋外へ排水されます。室内機やドレンホースの位置が変わり、排水経路にたるみや逆勾配ができると、水が正常に流れず、室内側から漏れることがあります。

地震直後には問題が見つからなくても、冷房運転を始めてから水漏れが発生するケースも考えられます。そのため、取付状態の目視確認だけで終わらせず、試運転によって冷え、排水、異音、振動を確認することが重要です。

復旧工事では撤去と再設置の依頼も増える

震災後に増えるのは、故障したエアコンの修理や交換だけではありません。

外壁を修繕するために室外機や配管を一時的に撤去する工事、屋根の補修に伴う屋根置き室外機の移動、建物の解体前に行うエアコンの取り外しなども必要になります。

住宅の補修が終わった後には、取り外していたエアコンの再設置が発生します。配管をそのまま再利用できない場合は、新しく配管を引き直さなければなりません。壁や間取りが変更されれば、室内機と室外機の設置場所を改めて考える必要もあります。

また、避難所、仮設住宅、事務所、集会施設などに冷暖房設備を整える際にも、エアコン取付業者が必要になります。

地震による被害が広い範囲に及ぶと、これらの点検、撤去、移設、再設置、交換工事が同じ時期に発生します。その結果、通常よりも多くのエアコン工事業者が必要になると考えられます。

災害復旧では他の業者との連携も欠かせない

震災復旧の現場は、エアコン工事業者だけで完結するとは限りません。

建物の安全確認を行う担当者、電気工事業者、外壁業者、屋根業者、内装業者など、複数の工事業者が同じ建物で作業することがあります。

外壁を直す前に配管や化粧カバーを撤去し、補修が終わった後に再設置するなど、作業の順番を調整する必要があります。連携がうまく取れていないと、設置した設備を再び外さなければならず、復旧に時間がかかってしまいます。

災害復旧では、自分の作業だけを進めるのではなく、建物全体の工程を確認することが重要です。現場責任者や他業種と情報を共有し、安全な作業順序を考えられる業者ほど、復旧現場で必要とされます。

真夏の復旧では冷房を早く戻す必要がある

気温の高い季節に震災が発生すると、エアコンを使用できない状態が健康上の問題につながります。

停電が解消されても、機器や配線に損傷がある場合は、すぐにエアコンを運転できません。損傷した電気製品への通電は、漏電や火災につながる危険があるため、異常がある設備は点検後に使用を再開する必要があります。

一方で、暑い室内で生活を続けることも危険です。環境省は、危険な暑さの際にはエアコンを適切に使用し、涼しい環境で過ごすことを呼びかけています。

特に高齢者、子ども、体調に不安のある人が暮らす住宅では、冷房設備の早期復旧が必要です。安全確認を省略して急ぐのではなく、点検と施工を確実に行いながら、できる限り早く生活環境を戻すことが求められます。

災害時に必要とされるのは判断できる工事業者

災害復旧のエアコン工事では、取付台数の多さや作業の速さだけでは対応できません。

建物が安全な状態か、屋根や壁面で作業してよいか、配管を再利用できるか、電源を入れてよいかを現場ごとに判断する必要があります。危険がある場合には、作業を中止して関係者へ報告することも大切な仕事です。

震災後は依頼が集中しやすく、早急な対応を求められます。そのような状況でも施工品質を落とさず、安全確認を徹底できる工事業者が必要です。

エアコン工事は、生活に必要な冷暖房設備を復旧させる仕事です。人が自宅へ戻り、安心して生活を再開するためには、電気や水道だけでなく、室内環境を整える設備も欠かせません。

地域を越えて協力できる施工体制と、現場に応じて判断できるエアコン工事業者の存在は、今後の災害復旧においてさらに重要になっていくでしょう。


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