冬特有のトラブル”とは何か、実例を交えて紹介
2025.10.14お知らせ
冬特有のトラブルとは何か――現場で見える寒さが生むエアコンの落とし穴
エアコンのトラブルと聞くと、多くの人は「冷えない」「水漏れがする」「異音がする」といった内容を思い浮かべます。しかし、冬場に発生するトラブルには、夏とはまったく違う“寒さ特有の原因”が潜んでいます。冷房時には問題なかった設備が、暖房に切り替えた途端に不調を起こすことも少なくありません。業者としては、この季節特有のトラブル傾向を理解しておくことで、早期発見や再発防止に繋げることができます。
冬になると増える「暖房が効かない」という相談
冬場で最も多い問い合わせが、「暖房が効かない」「ぬるい風しか出ない」という症状です。実際、現場で確認すると、原因はひとつではありません。最も多いのが、外気温が低くなったことによる暖房効率の低下です。エアコンは外の空気から熱を取り込み、その熱を室内に送る仕組みですが、外気温が5℃を下回るような環境では吸収できる熱量が減り、能力が落ちてしまいます。
また、室外機が霜で覆われてしまうことも大きな要因です。冬の湿度が高い日や雪の日には、室外機の熱交換器に水分が付着し、それが凍りつくことで吸気と排気の流れが妨げられます。そのためエアコンは「霜取り運転(デフロスト)」を行い、霜を溶かす動作をしますが、この間は暖房運転が一時的に止まるため、利用者は「壊れたのでは」と不安に感じるのです。
私たち業者の立場から見ると、ここをしっかり説明できるかどうかでお客様からの信頼度は大きく変わります。霜取り運転自体は正常な働きであり、異常ではないということを伝えつつ、もし動作が長時間続いたり頻繁すぎる場合には、センサー異常や冷媒不足、熱交換器の汚れといった別の問題を疑う必要があります。
水漏れ・ドレン詰まり・凍結による被害
冬に特に多いのが、霜取り運転中に発生する排水がうまく外に流れず、室内に逆流して水漏れを起こすケースです。霜を溶かした水はドレンホースを通って排出されますが、その先端が雪や氷で塞がっていたり、ホースの勾配が悪く水が溜まっていたりすると、排水が逆流してしまいます。結果として、室内機の吹き出し口や壁面から水が垂れるトラブルが発生します。
以前、ある現場で「暖房をつけたら壁から水が出てきた」という緊急対応をしたことがありました。確認してみると、原因はドレンホースの出口が雪に覆われていたことでした。外気温がマイナスになる日が続いたため、霜取り運転で出た水がそのまま凍り、排出口が氷の塊となっていたのです。その結果、行き場を失った水が室内側へ逆流していました。このようなケースは、雪国だけでなく、寒冷地域以外でも冷え込みの厳しい地域では珍しくありません。
対応としては、ドレンホースの先端を地面から浮かせて設置することや、凍結防止ヒーターを取り付けることで再発を防ぐことができます。こうした対策は工事時のちょっとした配慮で済むため、事前に施しておくとクレーム防止にもつながります。
室外機の雪・氷付着と能力低下
寒波の到来時には、室外機自体が雪で埋もれてしまうこともあります。雪がファンに当たると「ガリガリ」「カラカラ」という異音が発生し、最悪の場合、ファンブレードが欠けてしまうこともあります。さらに、吹き出し口が雪や氷で塞がれると、排熱がうまく逃げず、機械内部の圧力が上がりエラー停止に繋がります。
私たち業者が現場でできることは、まず室外機の周囲に一定の空間を確保することです。最低でも30センチ、理想的には50センチ程度のスペースを取り、雪が積もっても吸排気が確保できるよう設置します。特に積雪地域では、室外機をブロックなどで底上げする「高置き設置」を標準化することで、多くのトラブルを防げます。
また、過去に見た事例では、室外機の背面に住宅の外壁が近く、排気がうまく流れずに結露が発生して凍結したケースもありました。こうした現場では、風向板の調整や設置位置の変更を提案することで根本的な改善が可能になります。
エラー表示とセンサー異常
冬になると、室内機やリモコンにエラーコードが表示されるケースが増えます。これは、温度センサーや圧力センサーが低温環境で誤作動を起こしたり、配線が劣化して断線気味になっていることが原因である場合があります。冬季特有の低温環境では、電子部品の動作にも負担がかかるため、経年機ではこうした小さなトラブルが表面化しやすいのです。
実際に、10年以上経過した機器では、冷媒量の微妙な不足やセンサーの劣化が暖房能力の低下を引き起こすこともあります。こうした場合には、冷媒圧力の測定やセンサー交換、もしくは機器の更新を提案することが現実的です。お客様に対しても「今冬は使えるが、次のシーズンは交換を検討した方が良い」と丁寧に説明することが、信頼につながります。
冬特有のトラブルを防ぐために業者ができること
寒さによるトラブルの多くは、施工時や点検時のちょっとした確認で防ぐことができます。例えば、室外機設置時の勾配確認、ドレンホースの固定位置、断熱材の劣化点検などです。また、冬前の点検依頼時に、フィルター清掃や配管保温の状態を一緒に確認しておくことで、冬場のトラブルを減らせます。
業者としては、「直す」だけでなく「再発させない」提案を意識することが重要です。凍結防止ヒーターの設置や、防雪フードの提案、高置き施工などを行えば、次のシーズンも安心して使ってもらえる信頼が生まれます。結果的に、リピート依頼や紹介に繋がるケースも多いのです。
まとめ
冬特有のエアコントラブルは、冷房時には見えない“寒さとの闘い”でもあります。霜取り運転、凍結、結露、排水不良――これらはいずれも気温と湿度の変化が影響する自然現象であり、完全に防ぐことは難しいものの、正しい施工と点検でリスクを大きく減らすことが可能です。
私たち業者がこうしたトラブルの背景を理解し、現場で柔軟に対応できるかどうか。それこそが、繁忙期に差が出る“本当の技術力”です。お客様の安心を守るために、そして自分たちの仕事の質を高めるために、冬特有のトラブル対策を一つひとつ丁寧に取り組んでいきたいものです。
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昨今の異常気象ともいえる猛暑や、多機能モデルの増加により、結露などの水漏れリスクが高まっております。
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