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ガス漏れは信用を失う大事故|エアコン工事で起こるガス漏れの原因と防止策

2025.05.09お知らせ

エアコン工事の中で、最も注意が必要なトラブルの一つが「冷媒ガスの漏れ」です。

「冷えが悪い」「エラーコードが出た」「異音がする」など、施工後にお客様から寄せられる不具合の中でも、冷媒ガスに関するトラブルは対応が厄介で、再訪問や追加作業が必須になることが多いです。しかもその原因が施工ミスとなれば、お客様の信用を失うだけでなく、場合によっては損害賠償や業務停止につながるケースもあるため、特に注意が必要な項目です。

今回は、現場でよくある「冷媒ガス漏れの原因」と「具体的な防止策」について、実際の施工現場を踏まえながら解説していきます。

  1. 最も多い原因はフレア接続部の不良

ガス漏れの原因の多くは、冷媒配管と本体をつなぐ“フレア接続部”の施工不良です。

フレア加工時にパイプの切断面が歪んでいたり、潰れていたり、バリが残っていたりすると、接続部に隙間が生まれ、そこから微細なガス漏れが発生します。最初は問題がなくても、数日〜数週間後に冷えが悪くなったといった事例が多数報告されています。

また、締め付けトルクが不適切でナットが緩んでいる場合や、逆に締めすぎでパイプが割れてしまったケースも、漏れにつながる要因です。

対策として重要なのは以下の3点です。

  • パイプカッターを使い、歪みのない断面を確保すること
  • 面取り(バリ取り)を確実に行い、滑らかなフレア面を形成すること
  • トルクレンチを使い、規定トルクでの締め付けを徹底すること

これらの作業をルーティン化し、「なんとなくの感覚」で済ませないことが、冷媒漏れを防ぐ最大のポイントです。

  1. 配管の傷やクラックによる漏れ

施工中に誤って銅管に傷をつけてしまったり、無理な曲げ加工をしたことで微細なクラックが入ったりすることも、ガス漏れの原因になります。これは施工直後には問題がなくても、数ヶ月後にジワジワと漏れてくるケースが多く、原因究明が難しい厄介なパターンです。

特に注意したいのは以下の状況です。

  • パイプを通す際に、コーナー部分で折り曲げすぎてしまった
  • 薄い壁面の貫通穴に通すとき、配管がこすれて表面に傷がついた
  • 配管を固定するバンドがきつすぎて、長期的な圧力でパイプが損傷した

このようなトラブルを防ぐためには、

  • 曲げ加工は必ずスプリングやベンダーを使用すること
  • 配管通しはスリーブ管で養生し、こすれ防止の対策を施すこと
  • 固定具は過度な圧力がかからないよう、緩衝材を挟むなどの工夫をすること

地味ですが、このような一手間が後々のトラブルを大きく防いでくれます。

  1. 真空引きが不完全なまま冷媒封入した

意外と見落とされがちですが、真空引きが不十分な状態で冷媒を封入すると、配管内の水分や空気が影響して冷媒漏れが起こることがあります。

また、ガス漏れ自体ではなくても、機器の性能低下や内部腐食を引き起こし、最終的に冷媒トラブルへ発展する危険があります。

特に繁忙期など、作業を急いでしまう現場では「なんとなくで終わらせてしまう」ケースも少なくありません。

予防策としては、

  • 真空ポンプを10分以上動かし、ゲージが一定値で安定していることを確認する
  • 真空保持試験を行い、5分以上ゲージが動かないかチェックする
  • 急いでいてもこの工程だけは“絶対に手を抜かない”という習慣をつける

冷媒トラブルの大半はこの「丁寧さの差」で決まります。

  1. 配管長や追加チャージの誤り

冷媒ガスのチャージ量は、室外機と室内機の距離(配管長)によって変わるのが基本です。規定よりも多すぎるチャージや、逆に足りないまま運転を始めてしまうと、異常圧によって配管やコンプレッサーが損傷し、結果としてガス漏れを起こすことがあります。

また、再利用した配管を使う場合や、増設・延長をした際のガス量の計算ミスもトラブルの元です。

この場合の対策はシンプルで、

  • 各メーカーが出している「配管長ごとの追加チャージ量」をしっかり確認する
  • 必ずチャージバルブと計量器を使って、ガス量を目視で管理する
  • 配管の長さが特殊な現場は、事前に図面や現調でチャージ量を計算しておく

といった、基本に忠実な確認作業を怠らないことが肝心です。

  1. 最後に|ガス漏れ防止は“段取りと確認”で決まる

ガス漏れというのは、目に見えにくく、気付きにくく、しかも原因が複雑なことが多いため、施工者にとっても「厄介なトラブル」の一つです。ただし、その多くは施工中のほんの小さな“確認不足”や“油断”から起こっていることがほとんどです。

逆に言えば、施工前の段取りと、施工中の確認をしっかり行っていれば、防げるミスばかりだとも言えます。

たとえば、

  • フレア加工時の丁寧さ
  • トルクレンチ使用の習慣化
  • 真空引きの徹底と保持試験
  • ガスチャージ量の正確な把握
  • 施工後のガス漏れチェック(バブルテストなど)

といった「当たり前のこと」を一つひとつ丁寧にこなすことが、“信用できる業者”として選ばれ続ける第一歩になります。

エアコン工事は、お客様の「快適な生活」に直結する仕事です。そしてその快適さを支える冷媒回路の施工は、まさに職人としての技術と誠実さが問われる場面です。

今後もガス漏れゼロの現場を目指し、信頼される仕事を一緒に積み重ねていきましょう。


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